little imageは、テキサス州ダラス出身の3ピース・バンド。ジャクソン・シモンズ(ボーカル/ギター)、ブランドン・ウォルターズ(ベース/シンセ)、トロイ・ブルーナー(ドラム)──高校時代にInstagramと共通の友人を介して出会った3人が、2015年に結成した。
Radiohead、Cage The Elephant、Phoenixをルーツに持ち、オルタナティブ・ポップとインディー・ロックの境界を行き来するサウンドを築いてきた。2023年のシングル「OUT OF MY MIND」はオルタナティブ・ラジオ・チャートで全米1位を獲得。Panic! At The Discoのツアーサポートにも抜擢された。現代のオルタナティブ・シーンにおいて、最も勢いのある若手バンドのひとつだ。
『KILL THE GHOST』は2026年3月27日にHollywood Recordsからリリースされた全14曲のオルタナティブ・ロックアルバム。高校時代の自主制作盤『Musings』(2017年)、メジャーデビュー盤『SELF-TITLED』(2023年)に続く通算3枚目のフルアルバムにあたる。
前作がシンセサイザーを軸に据えていたのに対し、今作ではギター主体のサウンドへ回帰。歌詞の面では、自己疑念を克服し、癒やしや回復、誠実さを追求する変容の物語が描かれている。バンドの新たな黄金時代を示す一枚だ。
おすすめの楽曲としてまず取り上げたいのが4曲目の「NOVOCAINE」だ。アルバム全体に漂う「緊張感」を端的に体現する楽曲で、2025年5月に先行シングルとしてリリースされ、彼らのサウンドの新時代を印象づけた。
(RadioheadのKiller Carsのオマージュみを感じるMV)
ギター主体の編成を軸に、感情の起伏をダイナミックに描き出す構成。
歌詞を通じて、内面の葛藤や絶望からの逃避が綴られる。ノボカインとは局所麻酔薬のこと。「痛みを解決するのではなく、麻痺させて逃げたい」という切実で人間らしい願望が綴られる。
──その衝動を、張り詰めたギターのテンションが音として裏打ちしている。
7曲目に置かれた「DEFCON」もいい。アルバム中盤に置かれた、「催眠的な不安」を探求する一曲だ。タイトルはアメリカ軍の防衛準備態勢(Defense Readiness Condition)を示す略語で、精神的な緊急事態を暗示している。
早朝にコーヒーを淹れ平静を装うものの、押し寄せる時間に追われながら「これはただの夢なのか?」と自問自答する──歌詞には、日常に適応しようとしながらも焦燥感に飲み込まれていく様子がありありと描かれる。
こちらもギターを中心に据えるサウンドで、焦りを徐々にエスカレートさせるように設計されている。
麻酔で痛みを遮断したい衝動と、夢と現実の境界で焦り続ける朝。自分の中にあるネガティブな感情の息の根を、自分なりの方法で止めていこうという意志が感じられる。
『KILL THE GHOST』は自分の内側に棲みついた幽霊──つまり自己疑念や恐れ──を殺すための14曲だ。

